ドライバーさん耳休め#58

中国🇨🇳上海の交通事情2
(コラム)上海の交通事情:歴史が織りなすモビリティの変遷
上海は、そのダイナミックな発展とともに交通インフラも劇的に変化させてきた都市です。歴史を紐解けば、その変遷には興味深い物語が隠されています。
古くから水運の要衝として栄えた上海は、長江と黄浦江が交わる地点に位置し、運河網も発達していました。**「東洋のヴェネツィア」**と称された時代もあり、人々の移動や物資の輸送は主に船が担っていました。まさに水路こそが上海の生命線であり、経済発展の基盤だったのです。
19世紀後半、開港とともに西洋文化が流入し、上海は急速に近代化の道を歩み始めます。この頃、人力車が登場し、市民の足として広く利用されました。その後、外国租界を中心に路面電車が敷設され、1908年には初の路面電車が開通。20世紀初頭には、上海はアジアで最も先進的な路面電車網を持つ都市へと成長しました。馬車から発展した乗り合いバスも運行され、人々の移動手段は徐々に水上から陸上へとシフトしていきました。
20世紀半ば以降、自動車の普及とともに、自転車が市民の重要な足となります。1980年代の改革開放政策以降、経済成長に伴い自動車の数は急増し、自転車王国から自動車社会へと変貌を遂げます。これに伴い、道路整備も進められ、高架道路や環状道路が次々と建設されました。
さらに、1990年代以降は地下鉄網の整備が急速に進み、現在では世界最長の路線距離を誇る巨大ネットワークを形成しています。高速鉄道の開通により、周辺都市とのアクセスも格段に向上しました。
このように、上海の交通事情は、水運から陸運へ、人力から動力へ、そして個人移動から公共交通へと、時代とともに大きく変化してきました。近年では、環境問題への意識の高まりから、シェアサイクルや電気自動車の普及も進んでいます。歴史の変遷を映し出す上海の交通は、今後も進化を続け、未来の都市モビリティの姿を先取りしていくことでしょう。
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